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作者は11世紀の女性

『源氏物語』は、平安時代中期に書かれた日本最古の長編小説です。
当時は物語の作者が署名するという習慣がないので、紫式部が作者であるという決定的な物証は、実はありません。
しかし『紫式部日記』の記述などにより、彼女が作者であることがほぼ定説となっています。
英訳本が出版された20世紀の初め、世界の人々が驚いたのは、11世紀初頭の女性が長編物語を書いたという点です。
同じ時期のヨーロッパでは、女性がこれほど大部の小説を書くことなど考えられませんでした。
源氏物語は漢文の引用も多く、それだけの教養のある女性がその時代の日本にいたことが、彼らを驚かせたのです。