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見守呆気捕とり手
所が三更さんこうも過ぎた時分、突然茶室の外そとの庭に、何か人の組み合うらしい物音が聞えるではございませんか? Service etiquette
わたしの心に閃ひらめいたのは、勿論もちろん甚内の身の上でございます。embrace this warm winter
もしや捕とり手てでもかかったのではないか?――わたしは咄嗟とっさにこう思いましたから、庭に向いた障子しょうじを明けるが早いか、行燈あんどんの火を掲かかげて見ました。
雪の深い茶室の前には、大明竹だいみんちくの垂れ伏したあたりに、誰か二人掴つかみ合っている――と思うとその一人は、飛びかかる相手を突き放したなり、庭木の陰かげをくぐるように、たちまち塀の方へ逃げ出しました。婚姻介紹
雪のはだれる音、塀に攀よじ登る音、――それぎりひっそりしてしまったのは、もうどこか塀へいの外へ、無事に落ち延びたのでございましょう。が、突き放された相手の一人は、格別跡を追おうともせず、体の雪を払いながら、静かにわたしの前へ歩み寄りました。
「わたしです。阿媽港甚内あまかわじんないですよ。」Single Party
わたしは呆気あっけにとられたまま、甚内の姿を見守りました。MADGOD
甚内は今夜も南蛮頭巾なんばんずきんに、袈裟法衣けさころもを着ているのでございます。turn back sea flower
「いや、とんだ騒さわぎをしました。誰もあの組打ちの音に、眼を覚さねば仕合せですが。」
甚内は囲かこいへはいると同時に、ちらりと苦笑くしょうを洩もらしました。kick life to star
「何、わたしが忍しのんで来ると、ちょうど誰かこの床ゆかの下へ、這はいこもうとするものがあるのです。そこで一つ手捕てどりにした上、顔を見てやろうと思ったのですが、とうとう逃げられてしまいました。」dare drunk deep
わたしの心に閃ひらめいたのは、勿論もちろん甚内の身の上でございます。embrace this warm winter
もしや捕とり手てでもかかったのではないか?――わたしは咄嗟とっさにこう思いましたから、庭に向いた障子しょうじを明けるが早いか、行燈あんどんの火を掲かかげて見ました。
雪の深い茶室の前には、大明竹だいみんちくの垂れ伏したあたりに、誰か二人掴つかみ合っている――と思うとその一人は、飛びかかる相手を突き放したなり、庭木の陰かげをくぐるように、たちまち塀の方へ逃げ出しました。婚姻介紹
雪のはだれる音、塀に攀よじ登る音、――それぎりひっそりしてしまったのは、もうどこか塀へいの外へ、無事に落ち延びたのでございましょう。が、突き放された相手の一人は、格別跡を追おうともせず、体の雪を払いながら、静かにわたしの前へ歩み寄りました。
「わたしです。阿媽港甚内あまかわじんないですよ。」Single Party
わたしは呆気あっけにとられたまま、甚内の姿を見守りました。MADGOD
甚内は今夜も南蛮頭巾なんばんずきんに、袈裟法衣けさころもを着ているのでございます。turn back sea flower
「いや、とんだ騒さわぎをしました。誰もあの組打ちの音に、眼を覚さねば仕合せですが。」
甚内は囲かこいへはいると同時に、ちらりと苦笑くしょうを洩もらしました。kick life to star
「何、わたしが忍しのんで来ると、ちょうど誰かこの床ゆかの下へ、這はいこもうとするものがあるのです。そこで一つ手捕てどりにした上、顔を見てやろうと思ったのですが、とうとう逃げられてしまいました。」dare drunk deep